そもそもなぜ高齢者施設でレクリエーションが行われるかというと、目的の一つ目として、身体能力の維持ということが挙げられます。レクリエーションを通して、軽い運動をすることで、日常生活を自立的に過ごせるための体力や体の機能を維持するという目的があります。より健康的に日常生活を送るためには運動が欠かせませんが、レクリエーションでは運動をする体力がない高齢者でも楽しく体を動かすことができるよう工夫されています。
高齢者にレクリエーションを行う二つ目の目的は、認知機能を維持するためです。レクリエーションでは楽しく遊びながら、脳の機能を活性化させることも期待できます。記憶力や計算力、思考力などをレクリエーションを通じて養うことで、身体的機能を維持するのと同様に、日常生活を自立して送る支援をすることができるのです。
レクリエーションの三つ目の目的は、他者との交流を促すことです。介護が必要になり高齢者施設を利用し始めると、以前のように友人と会う機会が減ってしまう、会っても楽しく過ごせないという方が多くいます。しかし、人間にとって社会性というものは非常に重要な要素であり、他者とのコミュニケーションをとる機会が減ってしまうと心身に大きな悪影響を及ぼします。レクリエーションに参加することで、自然と他者と触れ合う機会が生まれるため、孤独感の解放に役立ちます。
身体や脳機能だけでなく、心のケアにおいてもレクリエーションは非常に重要なのです。